防汚剤クリンベル
防汚剤クリンベルは、ジメチルポリシロキサン構造を持ったシリコンオイルなどを樹脂に添付・混合・反応させることにより作られた表面改質剤です。
樹脂表面への汚れの付着を抑え、すべり性を向上させる効果もあります。こちらでは、防汚剤クリンベルについてご紹介します。
防汚剤クリンベルの特長
防汚性の付与
汚れた水滴やいやな汚れ、垢などが成形品表面に付着しても広がりにくく、お手入れも簡単になり表面がクリーンに保たれます。
優れた安全性
厚生労働省の溶出試験に適合し、またポジティブリストにも登録されています。
効果の持続
成形品表面が温水・流水にさらされても効果は持続します。
信頼性の確認
当社独自の確認方法である環境変色性試験により、使用上の信頼性を確認しています。
防汚剤クリンベルの各種グレードの特長
防汚剤クリンベルは、各種汎用樹脂に混合添加できるよう、様々なグレードを取り揃えております。
品 番 |
仕 様 |
対象樹脂 |
クリンベルCB-1 |
PPベース
シリコン:10%ペレット
MFR(230℃×2.16kg):25.5 |
オレフィン系樹脂 |
クリンベルCB-1T3B |
PPベース埃付着防止機能付与
シリコン:3.5%ペレット
MFR(230℃×2.16kg):44.8 |
オレフィン系樹脂 |
クリンベルCB-50PP |
PPベース
シリコン:50%ペレット
MFR(230℃×2.16kg):33.6 |
オレフィン系樹脂 |
クリンベルCB-30PE |
PEベース
シリコン:30%ペレット
MFR190℃×2.16kg):52.4 |
オレフィン系樹脂 |
クリンベルCB-50AB |
ABSベース
シリコン:50%ペレット
MFR(200℃×5.00kg):12.9 |
オレフィン系樹脂 |
防汚剤クリンベル添加量の目安
防汚剤クリンベルの添加量は、目的や用途によって異なります。ベース樹脂に対して、2.0%〜5.0%添加することにより、防汚性の効果を与えることができます。また同時に以下の性能も向上します。
撥水性・防汚性の付与 2.0%〜5.0%添加で撥水性を発揮し、防汚性を与えます。 滑り性の向上 2.0%〜5.0%添加で成形品の表面の滑り性を向上します。 耐磨性の改良 2.0%〜5.0%添加で成形品の表面の磨耗性を改善します。 防汚剤クリンベル添加時の樹脂物性への影響
防汚剤クリンベルを汎用樹脂に添加混合しても強度などにほとんど影響がなく、さらに「衝撃強度」が増す傾向にあります。
添加量 |
ブロックPP
(100%) |
ブロックPP(99%)
CB-1(1%) |
ブロックPP(95%)
CB-1(5%) |
項目 |
引張強伸度 |
降伏強度 |
MPa |
28.4 |
28.2 |
28.1 |
kgf/cm 2 |
290 |
288 |
286 |
引張弾性率 |
MPa |
1540 |
1570 |
1520 |
kgf/cm 2 |
15700 |
16000 |
15500 |
曲げ試験 |
曲げ強度 |
MPa |
40.9 |
41.0 |
40.8 |
kgf/cm 2 |
417 |
418 |
416 |
曲げ弾性率 |
MPa |
1228 |
1236 |
1228 |
kgf/cm 2 |
12517 |
12605 |
12519 |
衝撃試験 |
アイゾット |
J/m |
57.2 |
63.3 |
68.0 |
kgf cm/cm |
5.83 |
6.46 |
6.94 |
MI値 |
g/10min |
8.5 |
8.3 |
8.4 |
(試験方法)
ブロックPP樹脂に「クリンベル」を0%・1%・5%添加混合し、射出成形機で各試験片を作成し各物性を測定した。
防汚剤クリンベルの性能評価
防汚剤クリンベル添加成形品の特性を独自の試験方法により確認します。
防汚剤クリンベルの性能評価・評価方法並びに評価結果
評価方法(1):人工垢滴下による防汚性確認。(実使用に近い状態)
評価結果(1):防汚剤クリンベル添加成形品は無添加成形品と比較した場合、汚れの広がりが得られた。
評価方法(2):人工汚れBによる防汚性確認。(疎水性汚れ)
評価結果(2):防汚剤クリンベル添加成形品は無添加成形品と比較した場合、汚れの広がりが少ない結果が得られた。
評価方法(3):人工埃による埃附着性確認。(実使用に近い状態)
評価結果(3):防汚剤クリンベル添加成形品は無添加成形品と比較した場合、人工埃による埃の附着が少ない結果が得られた。
評価方法(4):クリンベル添加による耐変色性確認。
評価結果(4):防汚剤クリンベル添加成形品は無添加成形品と同等の変色であり、影響のない結果が得られた。
詳細結果
1.人工垢滴下による防汚性試験(PP樹脂) 【試験方法】
人工垢を各成形品に滴下し、その広がり度合いを確認する。
(放置期間)3日間試験室常温放置
(滴下量)約0.3ml
(滴下方法)メスピペットで成形品に対し高さ3cmから滴下する。 【試験結果】
2.人工汚れB(疎水性汚れ)滴下による防汚性試験(PP樹脂) 【試験方法】
人工汚れBを各成形品に滴下し、その広がり度合いを確認する。
(放置期間)3日間試験室常温放置
(滴下量)約0.3ml
(滴下方法)メスピペットで成形品に対し高さ3cmから滴下する。 【試験結果】
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